東京都の宅建業免許の手続き的な流れ


東京都に不動産業の事務所を設置して事業を始めるとき、あらかじめ必要となる手続きが都知事の宅建業免許の申請と、供託所への供託(または保証協会への加入)です。

通常、複数の手続きが同時進行することになりますので、全体を把握してスケジュールをしっかり管理していかないと、開業までに思った以上の日数を費やすことになります(そのぶん事務所の空家賃が発生してしまいます)

宅建業免許の事前準備

ここでは、ご自身にて手続きを進められる方を前提として、それぞれの段階で何を参考に、どのように進めていけばよいか、東京都知事の宅建業免許を受けるための手続き的な流れを大まかにご説明します。

※個人事業としての免許申請ではなく、会社として不動産業を開始するための法人の宅建業免許申請を行うケースを想定します。

宅地建物取引士の確保

まず最初に確認したいのが、これから開業する不動産業に配置することになる専任の宅地建物取引士(その前提としての宅地建物取引士の資格保有者)の確保です。

事業主さんご自身が1名で起業される場合、事業主さん自身が宅地建物取引士の資格を持っていれば、まず前提条件はクリアとなります。

ただし、宅地建物取引士証を交付してもらっていないとか、資格登録簿の情報が以前の会社や昔の住所になっているなど、不備があると手続きが途中で止まってしまいます。このケースは非常に多いので、まずは宅地建物取引士としての登録の状態がどうなっているか、行政庁に確認してください。

また、代表者が取引士を兼ねる婆愛、その代表者が既に別の事業の代表取締役に就任されているなどすると、専任の宅地建物取引士の常勤性を満たせません。

詳しくは専任の宅地建物取引士の事前準備をご参照いただくとともに、わからないところがあったら、東京都庁の担当窓口に電話するなどして確認してください。

宅地建物取引士に関する東京都の相談窓口

  • 163-8001
    東京都新宿区西新宿2-8-1
    東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課免許係(登録)
    03-5320-5063

「免許を受けられない者」(欠格事由)に該当しないかの確認

これから東京都で免許を受けようとする会社に関して、その会社や会社の役員、政令使用人等が一定の事由に該当していると、免許を受けることができません。

念のためこの事由(欠格事由)に該当しないか確認します。詳しくは、宅建業免許の欠格事由をご確認ください。

宅建業を営むための事務所の確保

宅建業免許を受けるためには、予め、業務を継続的に行える機能を持ち、社会通念上も事務所として認識される程度の独立した形態を備えた事務所を用意する必要があります。

賃借を予定する場合、免許を受けてから借りるのではなく、免許を受ける前提として借りる必要がありますので、空家賃分の経費は予算に計上しておきます。詳しくは、宅建業免許の事務所の要件をご参照ください。

また、会社の本店とは別の場所に宅建業の事務所を設置してしまうと、登記上の本店も事務所とみなされてしまうため、宅建業免許の取得が難しくなってしまいます。

本店を頻繁に移転しなくてもいいように、代表者の自宅を本店としている会社も多いようですが、その場合は宅建業法上、面倒なことになります。詳細は宅建業免許の申請で登記上の本店が異なるときをご参照ください。

会社の事業目的の確認

宅建業免許を受ける前提として、会社の定款・登記事項の目的欄に、不動産業を営むことがわかる目的が含まれていなければなりません。

記載がないときは、先に法務局で目的変更の登記手続きを進めることになります。(税金などがかかります。詳細は法務局にお問い合わせください)

身分証明書と登記されていないことの証明書の取得

代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員について、本籍地役所発行の身分証明書(身元証明書)と、登記されていないことの証明書を取得します。

住民票の登録が東京都内であっても、本籍が異なる都道府県の場合はよくあります。

遠隔地へは郵送請求を行うことになるため、意外と日数がかかる作業です。早めの準備が肝心ですが、役員様の人数が多い会社などであまり早く取り過ぎると、いずれかの役員様書類の有効期間(取得日より3ヶ月)徒過の可能性もあるため、タイミングを見計らってください。

顔写真の準備

専任の宅地建物取引士となる人は、証明写真を用意しておきます。横3cm縦4cm、無背景で鮮明なものなど規定があります。また、保証協会へ加入を予定する場合、専任の宅地建物取引士や代表取締役、政令使用人などの顔写真の提出を求められることもあるため、予め確認して複数枚撮影しておくほうがスムーズです。

事務所の写真撮影

申請書には、事務所の状況がわかる写真を添付して申請することになります。事務所写真が原因となって受理されなかったり、受理された後の審査で補正を求められたりすることが大変多い、申請では意外と重要な部分です。

なんとなく撮影するのではなく、手引きや行政窓口で求められた条件以上の撮影を心懸けてください。

法人の履歴事項全部証明書の取得

会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得します。現在事項証明書では受け付けてもらえません。申請時3ヶ月以内のものでなければならないため、他の書類がほぼ揃った段階で取得するほうがスムーズです。

決算書の写しの用意

既に決算を1度でも終えている会社は、決算書の写し(コピー)を用意します。表紙(何月から何月までで、第何期かわかるもの)、貸借対照表、損益計算書が主な必要書類となりますが、場合によって内訳などを別途資料で提出を求められることもよくあります。

詳しくは、宅建業免許の申請と決算書をご参照ください。

納税証明書の取得

こちらも決算を1度でも終えている会社は、納税証明書を取得します。

必要なのは、税務署が発行する様式その1の納税証明書になります。納税証明書の種類につては間違って取得してしまう会社様も多いので、詳しくは宅建業免許の申請に必要な納税証明書をご参照ください。

宅建業免許の申請から免許証受領まで

以上の書類を集めつつ、免許申請書など必要な書類を作成し、東京都庁へ申請します。(詳しくは、宅建業免許の申請に必要な書類をご参照ください)

東京都庁の窓口で形式的な確認が行われ、問題があれば修正箇所を指摘され再申請となります。

問題がなければ、法定手数料33,000円を支払って免許の申請が完了します。

保証協会への加入手続き

供託ではなく保証協会を利用する場合、東京都庁への申請が完了したら、その足で保証協会へ行って協会側の加入手続きも済ませてしまうほうがスムーズです。

※より正確には、都庁への宅建業免許の申請準備と並行して、保証協会へも足を運んで書類などの準備を整えておくと日数短縮につながります。

協会側の手続きは、東京都庁の審査が完了するまでは、前半のみ行われるかたちとなります。

免許の審査

東京都庁での審査期間は、標準処理期間として30日となっています。形式的には土日不算入で30日のはずですが、たいていの場合は約1ヶ月前後で免許通知のハガキが届きます。

もし審査途中で修正などを求められる場合は、都庁より電話等で連絡が入り、追加書類などを郵送または持参によって提出することになります。もちろん、そのぶん審査に必要な日数は延びてしまいます。

保証協会の現地確認

保証協会を利用する場合、東京都庁の免許審査と並行して、この時期に事務所の現地調査や代表取締役、専任の宅地建物取引士等の面談などが行われることになります。

「現地調査なんて、たまにしか行われないんですよね?」といったご質問も頂戴することが多いのですが、協会の現地確認は原則的に必ず行われますので、調査・面談に立ち会えるよう日時を調整しておきましょう。

免許の通知が到着

東京都の審査が完了すると、申請書に記載した住所宛に免許通知のハガキが届きます。

この際、ハガキは転送不要で発送されるため、郵便受けなどに会社名がしっかり表示されていなければなりません。

免許通知のハガキ到着後、保証協会を利用する場合は、協会に連絡して後半の加入手続きを進めることになります。また、供託金を納める場合は、ハガキを持参の上で指定の供託所にて供託を行います。

免許証の発行

保証協会の場合は、協会側の審査完了の後、協会から宅建業免許の免許証が渡されることになります。供託の場合は、供託金を納めたことを証明して、都庁で受け取ることになります。

免許証が発行された後、ようやく不動産業の営業開始です。都庁に申請してから営業開始までは、供託金の場合で約1ヶ月、保証協会利用の場合で約1ヶ月半から2ヶ月前後の日数がかかります。

以上が東京都で宅建業免許を申請する際のおおまかな流れになります。当事務所では、これらの都知事の宅建業免許の申請や保証協会加入手続きの代行を承っております。事業の準備などにお忙しく、なかなか時間を作れないとお悩みの業者様は、一度ご相談ください。
 

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