東京都に本店を設置して宅建業免許を受け営業中の不動産会社様が、新たに別の道府県へ支店や従たる事務所を設置する場合、宅建業免許を東京都知事から国土交通大臣へ免許切り換える手続き(大臣免許への免許換え)が必要となります。
大臣免許への免許換えは、他道府県へ登記上の支店を設置する場合だけでなく、不動産業を営む事務所を開設するとき(あるいは既に存在する別事業を行う事務所で、新たに不動産業を営む予定があるとき)にも必要です。
大臣免許への免許換え
大臣免許への免許換え手続きは、主に以下のような流れで進むことになります。審査にかかる期間は知事免許と比較して3倍から4倍の日数となりますから、早め早めの準備が欠かせません。
現在の宅建業免許の変更届
まず、大臣免許への免許換えの前提として、現在の東京都知事免許の内容が、現状を反映したものであるか、確認します。
例えば役員や専任の宅地建物取引士が交代しているにもかかわらず、変更届を提出していないときは、まず東京都庁の窓口へ変更届を提出することになります。
専任の宅地建物取引士の人選や必要書類を揃える
新たな支店(従たる事務所)にも専任の宅地建物取引士および政令使用人の設置が求められますので、その人選を行います。専任の宅地建物取引士および政令使用人は、新たな支店に通勤可能な場所に住所(または居所)がある人から選任します。
また、大臣の宅建業免許を申請する際、国土交通省(地方整備局)へ提出を求められる書類は、通常以下のような内容となります。
書類の名称 | |
1 | 免許申請書(第1面から第5面) |
2 | 宅地建物取引業経歴書(第1面、第2面) |
3 | 誓約書 |
4 | 相談役及び顧問、5パーセント以上の株主・出資者等の名簿(個人申請の場合は不要) |
5 | 宅地建物取引業に従事する物の名簿 |
6 | 専任の宅地建物取引士設置証明書 |
7 | 本籍地役所発行の身分証明書(代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員。) |
8 | 登記されていないことの証明書(代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員。) |
9 | 代表者の住民票(個人申請の場合のみ) |
10 | 専任の宅地建物取引士の宅地建物取引士証コピー(表、裏とも) |
11 | 事務所を使用する権原に関する書面 |
12 | 事務所付近の地図(案内図) |
13 | 事務所の写真 |
14 | 略歴書(代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、専任の宅地建物取引士、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員。) |
15 | 決算書の写し(表紙、貸借対照表及び損益計算書)直前1カ年分。個人申請は不要。 |
16 | 資産に関する調書(個人申請の場合) |
17 | 納税証明書(税務署発行の様式その1。決算書の期間と同一のもの)新設法人は不要。 |
18 | 履歴事項全部証明書(個人申請は不要) |
19 | 簡易書留郵便分の切手を貼付した角2封筒 |
以上の他、審査の状況によって、別途資料等を求められることもあります。
大臣免許の申請と登録免許税の納付
大臣免許の申請は、(東京都の場合)関東地方整備局が窓口です。
関東地方整備局にオンライン等で申請の手続きを行うことになります。
- 埼玉県さいたま市中央区新都心2-1 さいたま新都心合同庁舎2号館
関東地方整備局建設部建設産業第二課不動産業第二係
048-601-3151
大臣免許の審査
東京都庁を経由して、書類は関東地方整備局へ送付後、審査されます。標準処理期間は120日となっていますので、約4か月の間は、新たに設置する予定の支店(または従たる営業所)で不動産業の営業を行うことはできません。
書類に不備がある場合や、写真など追加撮影が必要なときは、補正を求められることがあります。
また保証協会を利用している不動産業者様は、同時進行にて新たな支店(従たる事務所)を設置する他道府県の保証協会への加入手続きを進めます。
免許通知の到着と供託または分担金の納付
審査が完了すると、関東地方整備局より免許通知が届きます。この後、支店(または従たる事務所)分の供託金を本店所在地を管轄する供託所(裁判所)に追加供託します。保証協会利用の場合は、弁済業務保証金分担金を追加する手続きを行います(各保証協会・支部とのやりとりとなります)。
大臣免許の免許証の交付と営業開始
供託金や分担金の納付を関東地方整備局が確認した後、国土交通大臣の免許証が交付され、これ以降、支店(または従たる事務所)でも不動産業の営業が可能となります。