不動産業を始めるにあたっては、行政庁から予め宅建業免許を受けておかなければなりません。この宅建業免許の申請は、ハトマークやウサギマークなど保証協会利用の有無などにも左右されますが、知事免許の場合、手続きには概ね1か月半から2か月程度が必要となります。
ではこの間に、宅建業免許が出るのを待つのは時間の無駄なので、有効活用するために物件の広告などを先手で打つことは可能でしょうか?
そのように思われる業者さんも多いようで、実際、当事務所でも何度かご質問を頂いたことがあります。
無免許事業等の禁止により免許前の広告はできない
結論ですが、残念ながら宅建業免許が下りていない状態で不動産業に関する広告を出すことは、法律で禁止されています。
宅地建物取引業法第12条(無免許事業等の禁止)
2.免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。
たとえば宅建業免許を取得した業者であることを詐称した場合は前段に該当して違反となります。
また、自己が正当な宅建業免許業者であると謳わなくとも、不動産業の広告をしたのみで上記条文の後段によって罰せられることになります。
無免許営業の禁止
もし仮に、広告の反応が上場で宅建業免許の取得前に不動産取引等を行ってしまうことになると、それは広告禁止の問題ではなく、無免許営業の問題となってしまいます。
無免許での営業となると、懲役や罰金の他、宅建業免許自体が一定年数受けられなくなってしまうため、事態は非常に深刻なものとなります。
確かに宅建業免許の審査期間中は、事務所の空家賃が発生するのに営業活動ができないため無駄な時間に感じてしまいます。しかし、上で触れたように広告を展開することは第12条違反となります。法律を犯してまでこの無駄を抑えようと営業活動を展開してしまわないように、また無免許で不動産業を行ってしまうことのないよう、十分ご注意ください。